こんな悩みを解決します!きっと。。。
ボルトのゆるみについて知りたい
子供のおもちゃでなぜか一本だけ繰り返しボルトがゆるむので、
技術系会社員の私が調べてみました
ボルトの締結力は摩擦抵抗
ココは理系の方ならわかると思いますが、
ボルトを締めこむとボルトねじ部とボルト頭の座面設置部の間が延ばされて引張力が発生します
この力がおねじ/めねじ間の摩擦抵抗によりボルトは回転方向で戻らずに引張力をキープします
この力により被締結材に圧縮力がかかることでモノが固定されます
ボルト固定のメリットデメリット
メリット:分解することができ作業性向上
デメリット:ゆるむ可能性があり定期的メンテが必要
ボルトゆるみには締結力を上げるのが一番!?
ボルトがゆるんでしまったときに真っ先に思いつくのが、締結トルクをあげることです
しかし、これをやりすぎると被締結材がへこんだり、ボルト自体が破断してしまうことがあります
これにより余計に良くない状況になる場合もあるので推奨締め付けトルクを守りましょう
じゃあどうやってゆるまなくするのか
ここで考えるのはなぜ緩むのか要因を考えてみます
非回転ゆるみと回転ゆるみ
ボルトのゆるみは、大きく2種類に分けられます
「非回転ゆるみ」:ボルト自体は回転しないがボルト張力が下がることで緩みが発生する
「回転ゆるみ」:ボルト自体が回転することでゆるみが発生する
それでは具体的に見ていきましょう!
非回転ゆるみ
つぎの4つが挙げられます
①初期ゆるみ
ボルトと非締結材の接触面には微小な凹凸があります。
ボルトを締めると凹凸が圧力によって平たんになりますが、完全につぶれるとは限りません。
これが時間の経過とともに凹凸がつぶれることでボルト張力が下がりゆるみが発生します。
対策
増し締めにより初期なじみの凹凸を減らすことでなじみ量が抑制されます
②陥没ゆるみ
非締結材にかかる面圧が高いとボルト座面部分が座屈し、陥没していきます。
これによりボルト張力が下がり緩みが発生します。
対策
軸力の発生を抑制することと平座金などを用いて面圧を下げてやることで抑制できます
③微動摩擦
ボルトによる面圧が低くなっている場合、微細振動による非締結材との接触面で摩耗が発生します。
これにより接触面の凹凸が平滑化し、ボルト張力が下がり緩みが発生します。
対策
適切な面圧と振動を抑えてやることがあげられます。
しかし、可動物に対して振動を抑えるというのがなかなかできないですよね。
ここは面圧を抑えることが大事かもしれません。
④熱的要因
文字通りの温度影響により、非締結材やボルトが膨張・縮小することで起きます。
対策
線膨張係数を考慮して設計することが必要ですが、温度変化を起こさないという方が容易かもしれません。
回転ゆるみ
ボルトにかかる3つの外力によってゆるみが発生します
①軸力方向の繰り返し荷重
②軸直角方向の繰り返し荷重
③軸回り方向の繰り返し荷重
まとめ
結局何が原因かというと可能性として繰り返し軸方向荷重と微動摩耗と考えました。
対策として軸方向の荷重はもちろん抑えられませんし、
振動も抑えることができないので、
対策で挙げられていた面圧を下げるためにワッシャーを追加しました。
結果としてゆるみは無くなりましたが、
実際の数値がどうで何が問題かを明確にすることはとても難しいですね。
もう少し深堀していきたいと思います。
それでは今日も良い一日を!
参考にさせて頂いた書籍/Webページ
トコトンやさしいねじの本、日刊工業新聞社
ねじのおはなし、日本規格協会